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『ムーンライト』の感想と紹介・少しネタバレあり

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監督:バリー・ジェンキンス
原作:タレル・アルヴィン・マクレイニー
出演者:トレバンテ・ローズ、マハーシャラ・アリ、他
配給:ファントム・フィルム
日本公開:2017年3月31日

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少しネタバレあり

簡単なあらすじ

同性愛者であり引っ込み思案の黒人男性、シャロンが少年から大人に至るまでの物語。

『ムーンライト』とは、第89回アカデミー賞で8部門にノミネートされ作品賞、助演男優賞、脚色賞を受賞した作品です

私は、アカデミー賞の授賞式を観てこの作品を知りました。誤発表で『ラ・ラ・ランド』と間違えられた事件は有名です。正直『ラ・ラ・ランド』が作品賞で間違いないだろうと思っていたのですが、『ムーンライト』が受賞してびっくり。早く本作を観てみたいと思っていました。

視聴して感じたことを一言で言うと「静かで、きれいな映画」です。視聴する前は差別を全面に押し出した、ありきたりな作品だと思っていたのですが、考えることが多くあり、なおかつ美しい作品でした。つらい物語なのですが作中の雰囲気が柔らかく、きらびやかで、月明かりの下で海のさざ波を見ていたような感覚を味わいました。『ムーンライト』というタイトルはドンピシャだと思います。

言葉に頼らない物語

本作は、リトルシャロンブラックと時代に合わせた三部構成になっており、三人の俳優が主人公であるシャロンを演じています。この三人の演技が素晴らしく、特に最終章のシャロンは体つきや生活が激変したというのに、表情や仕草だけでシャロンなのだとわかります。

全体的に俳優陣のレベルが高く、表情や仕草による演技が重要視されていたように感じました。そんな俳優陣の中でも、フアンを演じて助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリは、序盤しか出てこないにも関わらず印象的。フアンはシャロンに大きな影響を与える重要人物ですので、彼の演技は作品全体の評価を底上げしているでしょう。

『ムーンライト』はセリフが多い作品ではありません。演技の他にも服装や背景の色も特徴的であり、青や赤が多く使われています。こういった、言葉に頼らない演出を利用することで、静かで美しい作品が出来上がったのだと思います。

シャロンとケビン

シャロンとケビンは『ムーンライト』の中心的な登場人物であり彼らは似ています。二人共、孤独と迫害を恐れ、本当の自分を見失っている。これは、すべての人に当てはまることかもしれません。

大なり小なり人は、孤独と迫害を恐れて本当の自分を隠しているのではないでしょうか。私も他人に隠していることはあります。『ムーンライト』の主人公は黒人で同性愛者で、日本に住んでいる大半の人にとっては感情移入しずらい人物のように感じてしまうかもしれませんが、実はかなり身近な物語なのだと思います。

ケビンは周囲の人たちに逆らうことができず、シャロンにひどい仕打ちをしてしまいます。このケビンの気持ちも身近なものです。自分まで迫害されたくないから言いなりになるしかない。あの状況で、力を持っている人物に逆らうには相当な勇気がいります。

そしてシャロンはある行動を起こして変わっていくのですが、大人になりブラックと呼ばれるようになったシャロンは本当の自分になれたのでしょうか。フアンに言われたとおり、自分の人生を自分で切り開いたシャロン。フアンと同じような格好をして同じような車に乗り同じような生活をする

本当の自分とは言えないかもしれません。しかし、終盤にケビンと再開したとき、シャロンは本当の自分になれたのだと思います。本当の自分を見つけることができたシャロンとケビンが、幸せになってくれることを祈りたくなるような静かなラストでした。

まとめ

『ムーンライト』は同性愛がテーマである映画ではあるものの、物語の内容は身近でシンプルであり、誰が観ても考えることがあるであろう作品です。同性愛がテーマの映画は『ブローバック・マウンテン』や『ミルク』など有名な作品が多くありますが、それらとは雰囲気が違う新しい感覚を提供してくれる作品でした。

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